なめこさん

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sunnyclover

なめこと申します。
一応物書きです。
ボカロ歴は非常に浅いです。

カイメイ中心に自分の妄想を具現化しています。
ありがちネタ+パラレル設定多いのでご注意くださいませ。

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イチオシ作品

envious

ベランダから涼しい風が入ってきて、ブルーのカーテンが少し揺れた。本を読んでいたカイトは、ふと視線をあげる。気がつけばもう5時を過ぎていた。 何時もなら騒がしい我が家にメイコと二人きりだからだろうか、一層静かに感じて少し寂しくなる。折角だから、と二人でいつもより丁寧に家事をして、先程からリビングで好きなことをしている。 読み終えた文庫本を閉じて、カイトはため息を吐いた。陳腐な恋愛小説で、あまり感情移入できない。一緒に添い遂げられないのなら、と悲観して二人揃って心中する最後なんて、カイトには考えられなかった。生きているからこそ、意味があるというのに。 うーんと軽く伸びをして、斜め前のソファに座っている彼女を見ると、一時間前と変わらない姿で赤いヘッドフォンをしたまま新譜とにらめっこをしていた。 最近出来上がった新曲を渡されて以来、彼女は時間を見つけてメロディを聞きながら歌詞を追いかけている。 同じ仕事をする者として、それはとても尊敬できることだった。そう思っているのに、カイトの胸のなかにもやもやが広がっていく。 折角の二人きりなのに、と言いかけた恨み言をテーブルにあるアイスコーヒーで流し込んだ。 集中しているらしいメイコは微動だにしていないようにカイトには思えた。しかし、目の前に置かれたグラスの中身が減っているところを見ると、少しは動いているらしい。 「めーちゃん」 声をかけてみる。が、ヘッドフォンをしている所為か、こちらの声はまるで耳に入っていないようで。時たま確認するかのように聞こえる歌声が微笑ましいが、自分の声が届かない空間に居る、というのはあまりいい気分ではなかった。 手を伸ばせばすぐそこに彼女がいるのに。 じっと見つめていると、視線に気がついたのか、メイコが顔をあげた。ふっと笑って、「カイト」と確認するように名前を呼ばれる。その甘い声が久しぶりに頭の中で反響して、カイトは近づこうと腰をあげた。すると、彼女は何も言わずに空になったグラスを指差す。 「お代わり、欲しいなぁ」 にっこりと笑っておねだりする彼女に、カイトは軽く顔を顰めた。それでも断りきれないのは元来の性格か、それとも年長者には逆らっていけないという道徳心か。 自分のグラスも空になったことだしと言い訳をつけて、二つのグラスを持ってキッチンへ行く。メイコの赤い金魚が舞うグラスにはアイスココア、自分の青い風鈴が描かれているグラスにはアイスコーヒーを作る。 最後ににたっぷりのミルクを加えて、マドラーでかき混ぜて完成。二つのグラスを持って、リビングへと戻る。 音を鳴らさないように静かにグラスをメイコの前に置いて、自分も彼女の隣へ座る。一口飲むと、アイスコーヒーのほろ苦い香りが広がった。 メイコはこちらを見ようともせずココアを一口飲んで、またテーブルへと置いた。駄目出しがないと言うことは味は美味しいのだろう、しかしなんだか素っ気無い。 物足りなく感じて、そっと横目でメイコを伺う。白いふっくらとした頬に、長い睫毛。リズムをとっているためか、その愛らしい瞳は閉じられたままだ。 「めーちゃん」 今度は少し咎めるように低い声で、名前を呼ぶ。勿論、彼女の耳には届かない。癖の無い髪にそっと触れる。指先に絡めたり、撫でてみたり。しかし何をしても反応がない。 声が聞きたい。近くにいるのにもどかしい。カイトはゆっくりと頬に触れた。気がついたのか、彼女の瞳が開く。目が合う。 隣から圧し掛かるようにメイコに近づく。ソファに手を置いて、彼女を自分という檻の中に閉じ込める。驚いた表情を浮かべるメイコのヘッドフォンを外して。その耳に、触れた。 びくっと彼女の体が反応する。それが可愛らしくて、耳たぶにそっと口付けて、軽く舐める。 「っあ、ちょっとカイト……!」 怒ったような口調のメイコの、その唇に人差し指を当てて。 「折角飲み物作ってきたのに」 少し拗ねた口調で言うと、純粋な彼女は「ごめんなさい、集中してて」と答えてくる。それが愛らしくてカイトは思わず口角をあげた。 「お礼も出来ないなんて……悪い子、だね?」 メイコを捕まえるように、頬に触れる。顔を近づけると、きゅっと目を瞑った彼女の唇を軽く舐めて、そのまま深く口付ける。メイコの細い身体をぎゅっと抱きしめると、酸素を求めるように彼女の口が少し開いた。その隙を逃さず下を差し入れて、彼女のものと絡める。 何度を角度を変えて口付けると、彼女から小さい呻き声が聞こえた。キスは、甘いココアの香りがする。その香りが、きゅっと胸を締め付けた。 名残惜しそうに唇を離すと、顔を赤くして、メイコが小さく呟く。 「カイト」 甘い声で名前を呼ばれる。 それだけで幸せと愛情と、ほんの少しの征服欲が生まれた。 小さい唇でもういっかい、と強請られるその前に、カイトはメイコの腰に手を回してぎゅっと強く抱きしめた。

envious=嫉妬深い
嫉妬してるカイトもかわいいなと思ったので。
投稿日時 : 2010/06/14 00:56

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