ネリ・マクミン@ホッとP
ピアプロID: satoyou
ネリマクミンです。
いい年して学生です。
ニコ動とかでひそやかにミク・リン・レン・ルカをプロデュース中。
http://www.nicovideo.jp/mylist/4459481
HPも細々やってます。
http://atmz.biz/
使用楽器はギター、ウクレレ、ブルースハープ、オカリナ、一応ピアノ(大ブランクあり)です。いずれも下手くそですが頑張ります。
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最近の投稿作品 (10)
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僕のリンちゃんがこんなに可愛いわけが……ある(第3話 あの子が窓からコンニチハ)
目が覚めると、身体の自由が利かなくなっていた。麻痺しているというのではなく、何かで全身を抑えつけられている感触がある。暗闇に目が慣れてみると、どうやら布団で簀巻きにされた上から紐で縛られているらしいことがわかった。
「……やれやれ」
こんなことしなくても、手も足も出ないし出す気もないのに……などと思いながら左を向くと、数センチの距離に壁があった。そして右手では、リンがミニテーブルに突っ伏して、葉月はわざわざ持参したらしいマットレスのようなものに横たわって、めいめいがすやすやと寝息を立てていた。2人とも毛布などはかけていない。やけに暑いと思ったら、普段ほとんど使わない暖房がガンガンに利かされているらしかった。
「……うっ」
秋らしさを真っ向から排除したような暑さの中だというのに、ふと身震いする。……やばい。
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僕のリンちゃんがこんなに可愛いわけが……ある(第2話 悪魔が来りて引っかき回す)
そんなわけで、僕とリンの2人暮らしが始まった。
思いつく範囲で調べてみても、リンがどういう人たちにどういう理由で作られ、なぜ僕のところにやって来たのかは分からないままだった。
届いた商品のことで気になることが、などとぼやかしつつ通販会社に電話して探りを入れようとしても、メールされていた注文番号を告げるが早いか「パッケージかディスクの破損でしょうか?」などと言うぐらいで、ソフトウェアとして以外の鏡音リンなどまったく念頭にない様子だった。
販売元のメーカーに至っては、ロボットのボーカロイドって本当にいるんですかね、と(鼻で笑われたり、いたずら扱いされて早々に電話を切られたりするのを覚悟で)尋ねたところ、「もちろんいますよ……私たちの心の中に」などといわゆる大人の対応で、しかしそれは彼らにとっても現実のリンとはソフトウェアに他ならないということの裏返しでもあった。
実は本物の鏡音リンが今、僕の家でカップラーメン食べてまして……などと目の前の光景を実況してみようかとも思ったが、結局は思い止まった。そうしてしつこく食い下がったところで、得るものがあるとは思えなかったし、それこそ愛想を尽かされて電話を切られるのが関の山だっただろう。
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僕のリンちゃんがこんなに可愛いわけが……ある(第1話 ファースト・インパクト)
ボーカロイド、キャラクター・ボーカル・シリーズ02、鏡音リン・レンact2。標準価格は税込み15750円、13%オフで13650円。歌声を合成する、Windows用のソフトウェアだ。僕がそれを注文した通販サイトや公式ホームページの記述をかいつまんで話すとこういうことになる。ちなみに以前どこかの店頭で目にしたパッケージの外寸は、一般的なDVDトールケースと大差なかったはずだ。
それなのに、注文の翌日、日曜の昼前に早速届いた箱は人間が丸々入りそうな大きさで、開けてみたら本当に女の子が入っていたのだから、面食らわないわけにはいかなかった。
「はじめまして、リンです。よろしくね、マスター」
見慣れた通販サイトのロゴも何も入っていない白い巨大な段ボールの中、無数のクッション材に埋もれていた「それ」は、朝日に目を覚ますのと同じように目を開け、上体を起こして小さく伸びをすると、のそのそと箱から這い出してきて、開口一番そんなことを言った。
人間を郵送?いや、そんなわけはない。ボーカロイド?アンドロイド?
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アンダーカヴァー
ワイングラス傾けては 子供のように
他愛もない言葉遊び 繰り返してる
まるで夢見るよう あなたといると
レッドゾーン 勇気出して目を開けたなら
巡り巡る景色がほら 微笑みかける