母胎縁起

なんだかお腹が痛いので
丸い形を組み上げた
まあるくまあるく根を張って
私はここより底に居る
頬を割るほど凍えてた

銀錆

お前にワインは早かろう
銀紙包みのチョコレート
つまんだすずめを抱きしめて
メリーは段差を飛び越した
「右まつげが痛いよう」

グラビア的彼女【YOTYさんへ】

千鳥足がワルツ　レコォド聞かせている
ワガママなピエロの踊るつま先が
東向き西を蹴る　影もついてけず
紙のキミ　セピアでも美しいと
熱を知らず恋しては　憧れへと溺れた

キューティーガール

リング状に連なった
ため息が灰色に重なる
鼻の裏を遡るかのように
私は無理やりを選んだ
血の味がする　命の味だ

can-on

空白の中に音を
はめ込んだものを見た
鉛筆のおしりを噛むたび思い知る
あの奇跡のような曲を
憧れを詰め込んで

♡

朝の指が起きるより早く
君の名前　いつの間にか探してる
当たり前に横を歩いてる
君の肩の　高さを意識していた
「隣」という距離に慣れた君に

コラボ用歌詞

走る
真夏極振る熱に　ゆだる気持ちがへたり
凹む気持ちから　弱音が出る
それでも足は動く　前へ進めと動く
私の本気が　音を立てだした

ネオンテトラに憧れて

緑のコップ　放した金魚
赤い、赤い
地に白が踊る
月を溶かした夜にすくった
たなごころの隙間から

Metamorphose

花の裏　服の糸を抜く　肌を貫く
記憶にもない針を刺す
教えられなくとも知る
金が継ぐ形を
文（あや）を織る今

alternative

あたりまえのことを
あたりまえにできるひとになりたい
毎週30分汗をかくとか
お風呂に浸かるとかでもいい
自分だけのあたりまえを

ライデン伝説

ごろごろごろり　神鳴れば
ゆうすげ袂　挿しまして
青いお空の又従兄弟
青柳が乳兄弟
黄色が原にて栄える(はえる）脚

スーベニアと硬貨

たくし上げたブリエット
キラーは真夜中の夢をみた
しろい、しろいね、明るいねって
バカンスはお好き？リボンが解け
隣り合った鳴動の

ラバーエバー

スキップしたデルタ
スカイフィッシュを釣り上げた
遠く、遠く、銀河を飲み干す
指先には銀、マーマレードがたっぷり
たまったi（あい）

羊と角

たくさんの悪魔
今日もつまんねぇなって
わらってる愉しんでる
生きてるって叫ぶ
やわらかい髪のきみは

キネマグラフ

遠いところだ
遠いところだ
ぼくは夢をみてもいる
揚羽硝子の陽を浴びた
凸レンズで瞬いた

砂を泳ぐ

静かの噺　魚の尾びれ
誰がために鳴動　虚の中に生えた
指がもて、指をもて
あたしの噺だ、それだけだ
砂の中で泳ぐ　嗚呼我ら忘れ路を行く