七瀬 亜依香さん

※最近更新が滞っております。なにかありましたら、メッセージの方へお願いします。

七瀬 亜依香さん

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nanaseaika

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鏡音双子が大好きです。鏡音がいるだけで今日も生きていける。

リンレンならどんな設定でも美味しく頂けます。ボカロ、双子、近親、幼馴染、年の差、他人、禁断、エロ。うんどれも美味しい。

カイメイ・ぽルカ・クオミク・リトレカ好きです。もちろん他のボカロたちも大好きです。みんな仲良くほのぼのいちゃいちゃきゃいきゃいしてればいいじゃない……!

小説でボカロ愛を叫んでます。コメント大歓迎です。泣いて喜びます←
けれど更新は亀さん並の鈍さ…ごめんなさい頑張ります…orz
鏡音好きさんがいっぱい増えるといいな…!

腐はちょっと遠慮しております。けれどこっそりレン受けぷまいです。しかしCPじゃなくただレンの受け顔が見たいだけ←。百合は美味しいモグムシャア。

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イチオシ作品

【鏡音】 toi et moi 【いい双子の日】

 ――君がいて、俺がいる。君がいて、世界がある。  手にしていた楽譜を一旦置いてレンは一つ大きく伸びをした。 「んー」  手を組んで上に伸ばし、背中を反らし弓なりに伸ばして一、二、三。溜息と共に力を抜けば体の硬さが少しほぐれる。ボーカロイドは人を真似して作られた存在。だから動けば疲れるし、同じ姿勢でいれば肩も凝る。機械としては欠点でもボーカロイドには必要不可欠なこの機能を、レンは面倒だと感じながらもそれなりに気に入っていた。人と同じ感情を、痛みを、共有してこそ人が作り出す歌を人と同じように、もしくはそれ以上に歌うことが出来るのだと、レンは信じている。  床に置いた楽譜を拾い上げる。書かれた曲は自信作だと、マスターが得意げに笑っていたのを思い出して、頬が緩む。  息を吸って、吐き出す。声を出す。ただそれだけで紙の上に書かれた記号たちは、妙なる旋律となって部屋の中に溢れていく。高く、低く、ゆったりと。一人だけの狭い世界の中で、この歌を遮るものは存在しない。  ボーカロイドの存在意義。身体の奥底から湧き上がる感情。声が震える。音が溢れる。世界が色づいていくように、歌が広がっていく。  ふ、と目を開けてレンは歌うのを止めた。部屋の外によく知った気配を感じ取ったから。  誰かなんて分かり切っている。今この家にはもう一人しかいないし、何よりレンがその気配を間違うはずがない。だからこそレンは首を傾げる。ドアの前の人物は中々入ってこない。いつもならこちらなどおかまいなしに勢いよく飛びついてくるのに。 「リン?」  涼やかな鈴の響きに似たその名前を呼んで、ようやくドアはじりじりとじれったいほどの速度で、少しずつ中へ開いていく。  開いた先にいたのは、やはり想像に違わず自分の片割れだった。ややうつむき加減の頭からすっぽりオレンジ色のタオルケットを被っている。  今は秋。窓から差し込む光は穏やかだが、いつもの恰好でいるには少々厳しい。現にレンもいつものセーラー服の上に薄手のセーターを羽織っている。  先程まで下で寝ていたからだろう、やや薄ぼんやりした視線がしばし宙を彷徨い、レンを見つける。同じ青色の瞳をお互いに映し合い、瞼の奥で共鳴するように光が瞬く。重なった青色はより一層その濃さを増して、吸い込まれそうな透明に変わる。一つ、二つ瞬きを繰り返して。そうして片割れはようやく張りつめていた息をそっと吐き出した。  緩んだ目尻に微笑み返すも、その瞳の奥に不安定な揺らぎが残っていたことにレンは気づいた。 「リン?」  もう一度呼んだ名前は、すう、と二人の間で空気に溶けて消えていく。それでもその響きは片割れの耳にちゃんと届いていることを、レンは誰よりもよく理解している。  リンはそっと口元を緩めて淡い微笑みを浮かべた。しかしそれもまた空気に溶けるようにしてすぐに消え、代わりにどうしようもないような不安が俯いた彼女の顔を覆った。タオルケットを握る手に微かに力が籠り、白い肌が一層血の気を失くしたように見えた。 「あ、あの、レン、声が聞こえたから……え、と、あの」  リンが絞り出すように並べた言葉は、レンに自分がここにいる理由を説明するようにも、リン自身にここまで来た理由を言い聞かせているようにもなって、二人の間で半端に漂う。それでもと片割れの口はなおも何かを言いたげに閉じては開き、けれど吐き出されるのは微かな息だけで、紡ぐべき言葉が見つからない焦りがますます片割れに暗い影を作るのを、確かめるようにして。  パサ、とレンは両手を空にする。様々な音符に彩られた楽譜が小さな抗議を申し立てながら床に散らばる。レンは心持ち頭を下げ、少し大げさに長く息を吐き出す。そんな音にさえ、リンの肩が小さく跳ねる。  そして再度片割れに戻したレンの視線は、どうしようもなく優しかった。 「リン」  レンの声の変化を聞き取り、リンは恐る恐る顔を上げて、――大きく広げられた両腕に目を見開いた。 「おいで」  その言葉を、その腕を、その微笑みを。リンの心は決して忘れない。くしゃり、と顔を歪ませて一歩踏み出したら、後はもう片割れの胸へ飛び込んでいくだけ。涙で一瞬キラリと光った片割れの瞳にもう一度微笑みかけて、レンは世界で一番安心する温度をしっかりと抱き寄せた。  二人の熱が重なり、混じり合い、やがてどちらがどちらでなくなっていくような感覚。ふわり、とリンの後ろでタオルケットが静かに床に広がる。切り取られたこの世界の中で、時間の流れもがゆっくりになっていくようだ。  はふう、とリンが漏らした吐息が柔らかな熱を灯しているのを感じて、レンは手を動かして片割れの背中を優しく叩く。一回、二回。子供をあやすのに似たリズムに、リンはくすぐったそうに身じろいだ。 「どうした? 寒かったのか? お腹空いたのか?」  手の動きに合わせて、レンは問いを重ねていく。しかし一呼吸ずつ間を置いて、片割れから返ってくる反応は芳しくない。ふるふると首を横に振り、一層ぎゅっと強く抱きついてくるだけ。  困惑に眉を顰め、さてどうしたものかとレンがリズムを刻んでいた背中の手を止めて、ふう、とため息を一つ吐く、と。 「……夢、見たの」  ぽつり。空虚を含んだ、消え入りそうな声で、リンが一つ言葉を落とした。 「夢?」  オウムのようにレンが繰り返すと、リンはこくり、と頷いて、片割れの首にぐりぐりと頬を押し付けた。蜂蜜色の髪がちくちく刺さり、ほんの少しの痛みを伴ったこそばゆさがレンの体をざわざわと撫でる。けれどそれを諌める気は少しも起きなかった。  この甘え方の意味を、レンは片割れ故に誰よりもよく知っていたから。 「真っ暗で、何も見えなくて、何も聞こえないところにいるの。すごく寒くて、寂しくて」  のろのろと、けれど確かに積もっていく言の葉。それを一つも聞き漏らすまいとレンは耳を澄ます。 「走っても、どこまで走っても、何もないの。呼んでも、何度呼んでも、誰もいないの。ただ真っ暗で、何も分からないの」  言葉を紡ぐほどに、夢の断片をつないでいくほどに、片割れの声から温度が消えていくのを、どうしようもなく感じて、それがたまらなくて。 「……レンがね、どこにも、いないの。どこまで行ってもどこにもいなかったの……!」  だからこそリンが静かな声で――それが薄氷のように不安定なものだと悟るには充分な響きで――続けた言葉に、レンは強くリンを抱き締めた。  それがただの夢だと。自分はここにいると、心の底にまで届くくらいに、強く強く。  一度見た悪夢を忘れることは容易ではないと知っている。それで片割れの不安が全て消えることはないと分かっている。それでも、今だけでもいい。リンが、笑ってくれるなら。  夕暮れの光が窓から差し込む。部屋の中を染めていく茜色。照らされて輝く金色。その他にはなにもない二人だけの世界。  二人だけで、この世界は満たされる。 「……レン」 「リン」  どれだけ、そうしていただろうか。静寂の中で、震えるような呼びかけ。ささやくように交わすのは、互いの名前。  レンが腕の拘束を緩めると、ほんの少しだけリンが離れる。首に回されていたリンの手が、背中から降ろしたレンの手を繋ぎ、ぎゅっと固く握り締められる。その小さな手を包むように握り返せば、リンの表情は微かに綻んだ。 「リン」  伝わって、いるだろうか。届いて、いるだろうか。胸の中の不安は決して片割れには見せないけれど。どうしてこの名前はこんなに。床に散らばったままの楽譜の上で踊るどの音よりも、優しく空気を震わすのだろう。 「レン」  そして、どうしてこんなにも。リンの、自分を呼ぶその声だけで、心は簡単に幸福で溢れてしまうんだろう。  ほんの少しだけ、身体を前に倒す。離れた距離は簡単に埋まり、こつん、と額同士をくっつける。じわり、と滲む熱の温度が同じだっただけで、レンはたまならい嬉しさで頬が緩むのを抑えられなかった。 「ここにいるよ」  そっと告げたその声は、まるで子守唄を紡ぐのに似た響きで。レンはリンに言葉を贈る。 「ここに、リンのそばに。いつだって、俺がいるから」  両手一杯でも抱えきれない想いを音の一つ一つに込めるように、ゆっくりと。けれどその声は確かにリンの心へと届いていた。 「うん」  そっと告げたその声は、まるで音にならない純然たる響きで。リンはレンに誓いを返す。 「信じてる、信じてるよ、レン」  その言葉が、その誓いが、嘘にならないようにと、魔法をかけるように。 片手だけ繋ぎ合っていた手はいつの間にか両手とも指を絡めて、深く深くと引き寄せる。伝わる鼓動も、熱も、言葉よりもずっと雄弁に互いの気持ちを語っていた。  レンが顔を上げる。リンが顔を上げる。目と目が合う瞬間もぴたり同じで、何故か無性に可笑しくなって噴き出したタイミングまでも揃って。穏やかな気持ちに包まれて笑い合った互いの目尻から、忘れもののように透明な滴が一つ、頬を流れて黄金色の軌跡を描いていった。

 「前のバージョン」で続きます。
 
 ……いい加減ピアプロさんはページ送り機能を付けてくれてもいいと思うんだ……。
投稿日時 : 2011/11/25 14:08

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