３パーセントになったあなたへ

3パーセントの全になったって君は云う
扁桃腺が腫れたみたいで呑み込めないな
「3分間で終わりそうな生活」が始まる
健康体であり続けるそれだけのこと
まだ、いけないからじれったい

雪がとけていくように

本当の切なさは
そのものが終わってから
本当の思い出は
それすらも忘れてから
若さしか誇れない

沈みゆく街から

いつも呼吸を忘れたりする
サイダーの炭酸あふれて
バス停のベンチ汚れ払って
不安な夜に呑まれる
この街を出て僕ら知らない大人になる

雨と二人の青写真

君のシルクのスカート
もういないその姿を
辛さと切なさを
抱いて探すこれがスタート
閉じたまま動かぬ雨戸

フールプルーフ

振り遅れ解れた喉から溢れる
正義の所為にする声
そこにある網を偶然とも必然とも
思わずに流水プール
絆された今を絆と呼ぶのなら袂別さ

NORTH MARINE EXPRESS

昨日生きた世界の続きを覚えている？
空は薄暮 二人の道が染まる
この街の景色も飽きてきたな 行こう
カバン二つ抱いて
無人の改札を駆け抜ける

vein, vain, vane

ぼくは四畳半 家賃二万円
戦前からの生き残りアパートに住んでいて
ぼくの左側は去年アルコール漬け
定年間近の居眠りトラックに潰されて
こんなに狭い空でしか飛べないのなら

ラブ・スクランブル

だいたいいつも思ってる
たいがい傷を負ってる
本音を探り合って毎回
喧嘩みたいになってバイバイ
最愛の人に会いたい気持ちで

RE-SINSEKAI

嫌になって
嫌いになって
嫌味を言い放って
嫌悪感
惨い仕打ち

心が弱いと言われる

奇妙に暖かい夜
空っぽのベビーカー押して歩く
朽ち果てたゴールポスト
黒ずんだ毛布
ぼくは生あくびをして

さよならです

さよならです
鈍い車輪が回りだします
さよならです
もうここでは会えないのでしょう
さよならですつないだ右手