ボカロ短歌《ひとり寝の…》
《ひとり寝の夜かいとりの妻呼声(つまこごえ)長夜も知らず鳴くぞうらめし》
(直訳:ひとりで寝ている夜に遠くからカイトリのさえずりが聞こえてきます 秋の夜が長いのも知らないでずっと鳴いているのが恨めしく感じられます)
(意味:夜、おとずれのないあなたの掻い取り(打ちかけのこと)をかき寄せて、さみしさを紛らわせて眠ろうとしております。ですが、こんなに夜はながいのに、けれどあなたの姿はありません。貴方が恋しくて眠れないことが、心から恨めしく、また、哀しく感じられます)
《鳴く》と《無く》、《カイトリ》と《掻い取り》(打ち掛けの別名)をかけているというね… それと、声は美しいけれどもバカイトリとかけて、一途なばかりで融通の聞かない自分の思いが恨めしい、という意味合いもあります。
たぶん、読み主は、衣だけを残して帰って来ない恋人のことをじりじりと思っているのでしょう。しかし、衣を残していくということは、相手は姉妹、もしくは女の人同士のゆるされぬ恋なのかもしれません…