童話資料:夢みる小鳥編(途中)
1.ハルシオン
2.風の神の娘ハルシオンは、明けの明星の息子クユクスと仲むつまじい夫婦として暮らしていた。しかし、あるときクユクスは船の難破で命を落としてしまい、哀しんだハルシオンは後を追って海に身を投げてしまう。二人を哀れんだゼウスは二人を海カワセミ(ハルシオン)の姿へと変える。それ以降、並みの間にハルシオンが巣を作り雛をかえすときには海も嵐となることを避けて静かに凪ぐようになったという。
3.ギリシャ神話より。この故事によりハルシオンは英語で”平穏”を意味し、”ハルシオン・デイズ”というと平穏無事な日々、という意味になった。
1.ねずの木の話
2.あるところに妻を亡くしたきこりと美しい息子がいた。後にきこりは後妻を貰うが、後妻は継子が美しく、自分の実子である娘に遺産が受け継がれないことを思い、おおきな木の櫃の蓋で継子の首を切断、殺してしまう。継母はそのことが夫にばれることを恐れ、その罪を自分の娘に着せた上、死んだ継子を煮込んでスープにし夫(つまり父親)に食べさせてしまう。兄を自分が殺してしまったと嘆き哀しんだ妹は、その骨をあつめて杜松の木の下に埋める。すると、杜松の木の下から死んだ継子が美しい小鳥となって飛び立った。小鳥となった継子は金の鎖と上等の靴、大きな石臼を歌によって手に入れ、妹に鎖、父に靴を与えた後、外に出てきた継母の上に石臼を落として殺す。その後継子は人間となって蘇り、幸せに暮らした。