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『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:20

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:20
本日文化祭3日目、最終日。
昨日の演劇鑑賞、各委員会委員長が務める審査員達によるトップ争いが熾烈を極めたが、僅差で櫂人のクラスが優勝を果たした。2位には留佳のクラスがあげられた。
留佳の演じた傲岸不遜なシンデレラの型破り加減が終始人の目を引いたが、櫂人の色気には適わなかったらしい。
『サンドリヨン』はドタバタミュージカル仕立てで、シンデレラ演じる留佳が魔女のお婆さんの魔法の杖をぶん取り、そのままカボチャの馬車で舞踏会まで乗り込むという運びだった。仮面舞踏会状態だった舞踏会をつまらないという理由でハロウィン仕様に強引に魔法で置き換え、王子が吸血に変えられてしまう。魔法の杖は盗難対策のため他人に許可なく手渡ってしまった時のための保険魔法のおかげで、0時を過ぎてその効果は解けたが、0時を前に飽きたからとさっさと家に帰っていったシンデレラを探すべく捜索隊が編制された。すでに容疑者扱いのシンデレラを探す唯一の手掛かりは歩きづらいと投げ捨てられた硝子の靴。その結末は王子とシンデレラの罵り合いにも近いバトルから3時のおやつにタコ関連は欠かせないの大論争を経て、どちらが跪くかの両者譲らない意固地の末、売り言葉に買い言葉でシンデレラが王子の妃に召し上げられる。その国の王と妃の凄まじい夫婦喧嘩は国最大の娯楽ゴシップに発展し、逆に国民は家庭を大事にし国は栄えたといったところで大団円。

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:19

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:19
続く普通3年C組には櫂人がおり、演目は『ロミオとシンデレラ』
これは今学生達の間で流行っている人気少女漫画だ。主人公達の揺れる恋模様が気になって仕方がないと、読者達の心を常に揺さぶるファンタジーで、アニメ化も決まったらしい。
ストーリーはロミオとジュリエットが駆け落ちをするところから始まる。神父の案で2人は死んだことにしようと仮死の毒を先にジュリエットに渡して待ち合わせの場所へと行かせる。しかしロミオにそれが伝わらず、待ち合わせ場所でジュリエットが死んでいるのだと思い込み、ジュリエットが持っていた瓶の中身を煽ったロミオ。しかしそれは仮死状態にするための毒で、先にその毒を煽っていたジュリエットが目を覚ました時、状況の不自然さからロミオが死んだと勘違いし、ロミオの短剣で自殺を図る。神父が駆けつけた時には全てが終わってしまっていた様に思われた。ロミオが生きていると気付き、すぐにその場から連れ出す神父。しかしロミオはそれから数日、数週間経っても起きる気配を見せなかった。神父の秘密裏の計らいで2人は遺体も見つからずに死んだことにして、ジュリエットの供養も神父が行なった。そしてロミオは協会の地下の一室に匿われたのだった。死ぬために煽った毒がその思い込みからプラシーボ効果にも似た作用を生み出し、ロミオは眠り姫の様な状態で数十年以上眠り続けたのである。歳月を経て目を覚ましたロミオは地下室から出る、無意識の内に街を彷徨い辿り着いたのはジュリエットが住んでいた屋敷の2人が人知れず逢瀬を重ねていたあのバルコニーが見える場所だった。屋敷は昔とは少し様相が変わり、古くなってはいたが雰囲気はそのままにそこにあった。その時そのバルコニーから姿を現したのが今の屋敷の持ち主の娘であるシンデレラだった。
シンデレラがジュリエットと瓜二つとも言える容貌からロミオの意識が明瞭化し、物語は始まる。

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:18

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:18
昨日の合唱コンクールから一夜明け、今日は3年生がメインの演劇鑑賞会。それが毎年恒例文化祭2日目のイベントである。全学科3年9クラスそれぞれからなる演劇は毎年様々なテイストで後輩達の目を楽しませている。これも先日のコンクールと同じく、普通科からの始まりで国際交流科・情報技術科へと続く。各学科感性も特色も違うので誰も最後まで飽きずに観劇出来るところがこの2日目の売りでもある。歴代3年劇のシナリオは演劇部に保存されており、文化祭準備中は参考までに閲覧が可能で、ただし過去の作品をそのまま使用することは禁じられている。あくまでクラスでオリジナルを作り上げ舞台で発表するというのが、自主性と協調性を育てるといった意味合いを持つためだ。この日限りは各界舞台関係者の出入りが許されているが、基本学校から招待された人しか入ることが出来ない。そのためその招待客はOB・OGに限定されている。そこでお眼鏡にかかった生徒やシナリオはそのまま交渉次第で実際に活躍の場を社会に向け設けることが出来るため、その道で生きていきたいと思っている演劇部員にとっては最高のプレゼンテーションの場なのだ。
「未来ちゃん、見つかったら・・・怒られるよ? 」
「わからいでかっ」
若干姿勢を低くしつつも目だけは獲物を狩る鷹の様な鋭さで舞台を凝視している未来が居た。膝にはトートバックが置かれており、その中に両手を入れて何やらゴソゴソと手を動かしている。よくよく盗み見るとその中には先日の体育祭と同じく大量のバッテリーとSDカードが入れられていた。

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:2

『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:2
箱は『曲目』『衣装』と準備してあり、中には人数分書かれたリストが入っていた。一番最初に引かされたの『曲目』で、ペアになるよう同じものが2枚ずつ入っている。真っ先に引いたのは留佳で、それに続いて1年生達が先輩達の様子を気にしながらもくじを引き、その次に櫂人、そして2年の2人がひたすら何かを祈りながら一緒に箱の中に手を入れ、最後に引いたのはとても嫌そうにギリギリまで抵抗していた芽衣子だった。
一斉に開かれたくじの中身は、「スカ(2枚)」「レゲエ」「ロックステディ」の3種類4つに分かれていた。ジャンルの横には曲目と番号が書かれており、それで組む相手と順番が解るようになっていた。
一番目は未来と凛、曲種はレゲェで曲は Elephant man『Willie Bounce』。ダンスホール・レゲェと呼ばれるもので転調や展開がほとんどないリズムに即興性加味したDJスタイルの音楽だ。はっきり定義出来る様な概念はないがポピュラーミュージックサウンドの一端に数えられている。留佳が2人に『衣装』の箱を突き出した。漣は未来の顔を伺いながらソロソロと箱に手を伸ばして中身を1枚引く。未来も祈りが終わったのか意を決した表情を携えて勢い箱の中に手を突っ込むと1枚引いた。
「留佳、箱次に回せ」

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