giraffa

花ばかりが咲いて
ひとつずつ手折った
ここで待っていた
4月に彷徨って
飽きそうな夜は儘

Squirrel

知らないことが一つ
増えるたびに笑った
傷だらけの足は
今もまだ痛むけど
どれくらいきみを呼んで

リネンのスカート

星が落ちて
滲んだなら
ため息をついて
朝を待つの
あの匂いが

syuu

週末泳ぐさかな
どうにか手を伸ばしても
すり抜けて世迷い事
キスの一つも降りやしない
どこかで蝉が鳴いた

ヘリアンタス

あの夏の日
日差しに隠した
瞬きひとつも
言えやしないの
目を逸らしても

花時計

オレンジを手に取って
曖昧にうたを歌って
そうして飽いた両手で
だれかと手を繋いだ
いつかあなたが泣いた日のこと

Feverfew

白い花びらを散らして
そうして伸びた爪を
恋と呼ぶらしいの
あの夜は眩暈ばかり
静寂に弾丸

ランプライトの焦燥

海月が揺れる午後 未だ暮れる青が
くすんでくすんでもう見えないの
鳴り響くサイレンはきっと
あの夜のことを切り取った
どうか朝靄で誤魔化して

藍白

細いリボンで
巻きすぎた両手は
いまさら解けないな
このまま手を引いて
さようならさようなら

春天

まぼろしで飾った
スカートを揺らして
ゆらり昼下がり
町外れのロマンス
目の前で零れた

藤

草臥れた熱
萎びれた睫毛で
囲う硝子玉に
あなたが映る
恋は盲目

ローズドーレの告白

目眩に夕暮れ
憂鬱が落ちて
笑う風景画が
切ないだけ
水溜りに花びらを一つ

ペルセウス

夜に俯いていたの
流れる星を教えて
ゆらり揺れたら
あなたの溜息
やさしく笑うから

murmurs.

murmur星が降る永い夜に
murmur君が降る
眠れないまま
僕のわがまま
星を数えて青になる

ミシェル

かわいい手をしていた
朝を覚えていて
パステルに飛んだ傷が
すこし傷んだようで
胸が苦しいのも

チェリーブロッサム

内緒話で埋めた夜を
一人でひとりで思い出した
檸檬味のビー玉が揺れて
さよなら春色のワンピース
誤魔化した花束は

vase.

花びらを抱えた
花瓶を飲み干した
月並みに泣いては
ゆらりゆらりいつも通り
ヒールが曖昧にぐらついていた

eri.

額縁で飾った
笑った顔を見てた
流れ星はふたつ
願い事はみっつ
花びらのスカートで

マリーゴールドの祈祷

花占いをしていた
指先が少ししびれて
不揃いなまじないで
無口に僕を笑った
見つめたのは３秒

天文学

やさしいあなたを
やさしいまま覚えて
泣いてしまう夜を
恋と呼んだなら
オリオンに焦がれて

つらら

あの子に会いに行く
きみの装いが
花になるみたい
愛しくて目で追った
首元をリボン結び

ロジーリリー

硝子のなかで見つけた
やさしい色のくらげと
溺れたがった蝶々が
ドライフラワーみたい
これから引き離される

ミントに困惑

目の前で落ちた
君の目を見てた
ぐらぐらと迷う恋が
さよならを知っただけ
ポケットに入るくらいの

はなのしずく

目が眩むようで
カーテンを閉めたのに
くらりくらり落ちて
瞬きを繰り返す
白い指がぎゅっと

渡り星

誰かが笑う夜の
星を全て数えて泣いていたい
あなたが眠る前に
僕は星になってしまうけど
気にしないで

りるら。

こつりと靴を鳴らして
赤いルージュを隠して
鏡の中で覗いていたの
女の子にはなれない
溶けない夜を教えて

花と幽霊

きれいにきれいに
切り揃えた
爪も今では
透けてしまって
仕方ないや

夏の輪郭

意地悪な空が滲んで
きみが見えなくなって
眠る気にもなれなくて
乾いた音で揺れる風鈴
夏を覚えていたいようで

白透明

水玉が濁って
目も合わせられないの
曲がり角はあの日
揺れて揺れてしまったから
手を伸ばして

クリームソーダは宇宙色

ぷかぷか浮かんだ
お月さまを探して
ゆらゆら落っこちた
星の名を呼んだ
あなたが飲み干した

sugar fish

透けるような青に
眩暈を覚えて
見つめあった言葉は
聞こえていますか
勿体ないくらい

まぶかに星

からからり落ちた
ドロップがこぼれては
なみだめの星空が
瞬きを繰り返す
きみのことを考えて

朝焼けの恋煩い

曖昧な言葉だけ
綺麗に繕って
震える瞼を
そっと手で覆った
足元がぐらついて

花に水底

揺らぐ視線を
抱き締めるカーテン
癒えないことばかり
降り積もってしまう
藍と愛に飽いて

ストロベリーアイスクリーム

キャンディは３つ
内緒にしていて
やさしく手を引いた
だれかは檸檬の味
あのね