イチオシ作品
最近の投稿作品 (8)
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【第二回 届け恋の光合成③】
自宅玄関の引き戸を開けた京助は再び玄関の引き戸をゆっくりと閉めた
そして表札を見、ここが自分の生まれ育っている【栄野】という家であることを確認した
「おかえりー京助ー」
悠助が閉めた戸をカラカラと開けて抱きついてくる
「なぁ…悠…お兄ちゃん今なーんか変なもの見えたんだけどアレ、何かなぁー?」
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【第二回 届け恋の光合成②】
「…迦楼羅と…乾闥婆だっちゃね」
御神木を見上げ名前を呼ぶと二人が降りてきた
「久しぶりですね緊那羅、元気そうで何よりです」
乾闥婆がにっこり微笑んだ
「迦楼羅…」
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無幻真天楼【第二回 届け恋の光合成①】
「でっかく育ったなぁ…」
「僕より大きくなっちゃったねー」
夏休み目前の日曜日栄野家の庭先では京助がホースで水をまき悠助がそれを手伝って(邪魔して?)いた
「こないだまで双葉だったと思っていたのにもう花咲きそうでやがんの」
栄野兄弟が『大きくなった』といっているのは初夏に悠助が植えた向日葵のことで鉢には【ヒマ子さん】とかろうじて読める悠助のミミズ文字で書かれていた
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【第一回 始まりはエビフライ④】
午後八時
「つっだー;…疲れた…めっちゃくそ疲れた…前ドゥーの野郎3時間説教の後に後片付け…腹減ったー…」
京助は帰宅するなり玄関に座り込んだ
「おかえりー!」
バタバタという足音とワンワンという鳴き声とともに悠助とコマとイヌがのしかかってきた
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【第一回 始まりはエビフライ③】
4時間目開始のチャイムが鳴り響く中階段を駆け上り教室を走りぬけ生徒を薙倒し先生のヅラを飛ばしながら4人は逃げていた(悠助は京助に抱きかかえられている)
その後を緊那羅が二本の棒の様な物で更に被害を広めながら追いかけていく
「京助?僕一人でも走れるよ?? 足とかもう痛くないもん一年生だもん体育のとき先生に早いねって褒められたし」
「今はだぁっとれーッ!!;」
降りて自分も一緒に走ると言い出した悠助に怒鳴ると悠助は『ぷー』と膨れてそっぽを向いた
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【第一回 始まりはエビフライ②】
「誰だお前…」
『お前こそ誰だよ』と返ってくるだろうと思い京助は名乗るスタンバイをしていた
そこにいたのは愛しの弁当箱…じゃない悠助ではなく何とも不可思議な格好をした一人の少年(?)だった
間をおいても『お前こそ誰だよ』がこなかったので京助はとりあえず悠助のことを聞いてみることにした
「なぁ、青い弁当箱持ってるやつ見なかったか?」
- 【自創作】無幻真天楼登場人物達
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無幻真天楼 【第一回 始まりはエビフライ①】
三時間目が始まった頃だろうか…正月中学2年3組の教室内にはちらほらと『ハラヘッタゾ』という腹の鳴き声が聞こえ始めていた
弁当時間まであと一時間
それまで我慢する者、早々に弁当や食い物を取り出しコソコソ(または堂々と)食す者が男子生徒を中心にに見え始めた
そんな中彼【栄野京助(えいの きょうすけ)】も泣き喚く腹と格闘の真っ最中だった
いつもならとっくに早弁をしている時間だった