桜宮 小春さん

KAITOに続いてMEIKOもお迎えしたようです。やはりもっぱら喋ってます。

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【オリジナルマスター】 ―Grasp― 第五話 【悠編】

オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボ(2人)でお互いのマスターのお話を書けることになりました!
コラボ相手は、カッコいい素敵なお姉さんの生みの親、つんばるさんです!
上記の通り、私とつんばるさんのオリジナルキャラ(マスター)が登場します……というか、マスター(♂)×マスター(♀)です。
そして、ところによりカイメイ風味ですので、苦手な方は注意してください。

おk! という方は……。

(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)




*****



次回の作業の日程と場所は、次の週末にアキラの家で、と入力して、ひとまず手を止める。
アキラばかり俺の家まで歩かせるのは負担だろうし、日程も特にこだわって平日にする必要もないだろう。それに、俺は週末ならほぼ確実に空いている。


「……マスター、楽しそうですね」


もう一度メールの本文を読み直して、こんなもんでいいだろうと送信すると、横から見ていためーちゃんが声をかけてくる。


「まあな。やっとエンジンかかってきた気がする」


そう答えたとき、自然と笑みが浮かんでいた。




―Grasp―
悠編 第五話




次の作業日が来週末、ということは、実はそんなに日はない。1週間が過ぎる早さは、思っているより早いものだし、まさかずっと楽曲制作に打ち込み続けるわけにもいかないだろうから、なおさらだ。
それならば、整っていなくてもばんばん案を出していった方が効率もいいだろうと、アキラがメールで提案してきたので、それに同意してからは、さらにメールのやり取りが多くなった。
次々と送られてくる長さもフレーズも様々なデータをひとつひとつ確かめては、感想とアドバイスをメールで返信する。
アドバイスといっても、ちょっとした提案に近いが、それでも真面目に返答をしてくれるあたり、アキラの曲への身の入りようが伝わってくるように思える。
ただし、編曲したインストや歌詞のデータは、こちらからは一切送ってない。
編曲に関わる事をメールに記述するのも、こだわりがあるのかを確認するぐらいで、それ以上は控えた。
というのも、編曲と作詞を申し出た段階で、アキラに「歌詞とか編曲版とかあると、イメージぶれるんでまだいらないです」と言われたからだ。


「マスター……コラボに力を入れて下さるのは嬉しいですけど、ほどほどにして下さいね」


本日何度目かのメールを送信したとき、横から控えめな声がかけられた。


「カイト、ほどほどって、どういう意味だ?」

「いえ、その……何と言うか、この様子だと、お仕事の間も作業してたりしないかと……まさかそんな事ないですよね、すみません」


カイトは笑ってそう言ったが、俺は内心ぎくりとした。
もちろん仕事は仕事だ、集中しようとは思っていた……のだが、気が付くと、あそこのメロディの繋ぎはどうしようとか、ここの歌詞の語呂が悪く聞こえるとか、そんな事を考えている。
今日など、ここのところ上の空だから体調が悪いのかと、上司に心配されてしまった。
叱り飛ばされるより辛いものがある。


「まぁ、そうだな……今日の作業はこれくらいにしとくか」

「お疲れさまです」


明らかにほっとしたようなカイトの声に、何事かと思ったが、時計を見て納得した。
PCを立ち上げてからかなりの時間が経過している。少し根をつめすぎたかもしれない。
それはアキラにも言える事だろうが、大丈夫だろうか……なんて、俺には言われたくないだろうな。
一人で苦笑しながら、データを上書き保存した。


そんなこんなで、週末までにはなんとかそれなりに形になっているデータを作成できた。
まだ手直しは必要だが、ひとまずこれを使っての調声は可能だろう。そう判断して、俺はアキラの家に向かった。


「いらっしゃい、メイコさん、おとうとくん。上がりなよ」


扉を開けて顔を出したアキラは、俺を見ただけで、めーちゃんとカイトにそう言った。


「おいアキラ、俺もいるんだが」

「いまさら客あつかいしてほしいんですか、ハルちゃん先輩」

「あのなあ……」

「おじゃまします」


俺たちのやり取りに苦笑しながら、2人は声を揃えて言う。
何か言ってくれよ。確かに今に始まった事ではないかもしれないが。
これ以上気にしない事にして、俺は持ってきていたケースを床に置いた。
その音に振り向いたアキラが、目をぱちくりさせる。


「……キーボード持ってきたんですか」

「ああ。使いたいだろ? ホラ」


ケースのファスナーを少し開けて、中身を見せる。
先週、かなり興味深そうにしていたから、持ってきたら使うかと思ったのだ。
他の機材と比べたら使い勝手がいい方だし、美憂からの貰い物だからケースもあるし。


「ありがたいですけど……」

「けど?」


だが意外にもアキラの反応が鈍い。
復唱して続きを促すと、彼女は真顔で答えた。


「いや、よく持ってきたなあと思って、感心していいのか呆れていいのかわからないところです」

「そこは褒めろよ!」

「わーすごーいハルちゃん先輩ちからもちー」

「棒読みで言われても嬉しくねえし! しかもなんだそのガキ相手みたいな褒め方!」

「コレ、向こうに運びますよ」

「無視か!」


何だろう、この、俺ばかりやたらエネルギーを消費しているような感覚は。
前から思っていた事だが、やはりアキラは俺を先輩だと思っていないんじゃないか?
その事に少々苛立ちと脱力感を感じながらも、一方で、俺は安堵していた。
アキラにあしらわれ、馬鹿にされて(少なくとも俺はそう感じている)、それに怒鳴り返して自分だけ勝手に疲れている……普段の俺たちのやり取りだ。
この状況を改善していきたいとは思っているが、とりあえずはいつもの俺でいられている。
先週の事があるから、こういった会話すらできなかったとしたら……と、内心不安だった。ちゃんと喋れてよかった。
俺がそう考えている間に、アキラはキーボードをぶつけないように運ぼうと苦労しているようだった。
手伝おうかとも思ったが、その前にカイトが奥から歩み寄ってきた。


「アキラさん、大丈夫ですか? 俺、持ちますよ」

「ああ、気が利くね。さすがすけこまし」

「すけっ……!」


何気ないアキラの一言に、思わず吹き出してしまった。
それに気付いているだろうが、アキラは気にする素振りも見せずに言葉を続けた。


「でも残念ながら、手伝いは必要ないよ。気遣ってくれてありがとう」

「ちょ、ちょっと待ってください! なんですかその、す、すけこましって……!」

「的確だろ? メイコさんを誑かしたんだから」

「たっ……!?」


再び絶句したカイトを無視して部屋へと歩いていくアキラに、俺はまたもや笑いを堪えきれなかった。


「すけこまし、ねえ……確かに的確といえば的確だな。流石はアキラだ」

「まっ、マスターまで何を言い出すんですかっ?!」


真っ赤になって言い返してくるが、生憎そんな反応をされて黙っているほど、俺は甘い人間ではないつもりだ。
それはカイトもよく知っているだろうに。


「確か、めーちゃんに惚れて、後先考えずに調声中のめーちゃんを連れだした奴がいた気がするんだが?」

「ますたあぁ……!」

「拉致ってまで口説くとか、俺には真似できないもんなぁ」

「ら、拉致は大げさです! っていうか、聞いてたんですか?!」

「なんだ、やっぱり口説いてたのか」


そう言ってやると、カイトは瞬時に真っ赤になって、ぐっと言葉に詰まる。
少し調子に乗りすぎたか、とも思ったのだが、悪いですか、と、小さな声が聞こえてきた。


「は……?」

「俺がメイコをどれほど想っているか、マスターも知っているでしょう。あの時は、それを抑えられなかっただけです」


拗ねたような声には、どこか愛おしげな響きも混じっていて。
今度は、俺が沈黙する番だった。そんな俺を見て、カイトはふと笑みを浮かべた。


「ほら、アキラさん待ってますよ。行きましょう」

「あ、ああ……」


わけがわからない。さっきまでぶすっとしていたのに。俺が何をしたっていうんだ。
部屋へと歩き出した彼に軽く肩を叩かれたのが、なんだか気に入らなかった。




「狭苦しく感じるのは私だけですか」


気を取り直して機材の接続をしていた矢先、アキラがぼそりとそう口にした。


「そんなに狭くはないけどな」

「……やっぱり、作業環境としてはハルちゃん先輩の家の方がいいと思うんです」

「いつも片一方の家に行くのじゃフェアじゃないとか言ってなかったか?」

「そうですけど、ハルちゃん先輩んちの方が機材豊富だし、広いし……」

「わかったわかった、とりあえず今日はここでやるぞ」


作業をしながら返事をしようとすると、どうも投げやりになってしまう。
そのせいもあるだろうか、アキラは、はい、と言ったものの、やや不満げだった。


「……あれ?」


そのまま機材をいじっていると、PCを操作していたアキラが声を上げた。


「どうした」

「出ない」


短い返答に、PCの画面を見ると、データが開けないとエラーメッセージが出ていた。
俺が渡したUSBからコピーした、歌詞のテキストデータの事らしい。


「……なんで?」

「まさかアキラ、またお前妙なウイルス……」


何度か操作を繰り返しても、メッセージは表示される。
思わず口から出ていた言葉に、アキラは少し怒ったように言った。


「しつれいですね、最近はノートンもちゃんと働いてるし、そうじゃなくても、何か妙なの入ってたらかいとくんが教えてくれますもん。……ないよね?」

「ないです」


ディスプレイから低い声が返ってくる。東雲家のメイコとカイトがそう言うならば、本当にないのだろう。この2人はやけにこういう事を詳しい。
それにしても、アプリが危機感を覚えて、どんどんPCに詳しくなっていくというのはいかがなものか(実際はどうなのかは知らないが、近からずも遠からず、ではないかと思う)。


「ちょっと見せてみろ」


軌道がズレ始めた思考を引き戻し、アキラの握っているマウスを操作する。
彼女の手に触れた一瞬、温もりに心臓が跳ねたが、それどころじゃないと自分に言い聞かせる事でなんとか無視した。
とりあえず、何度か試してみても、やはりエラー。
おかしいな。そう呟いて、キーボードに手を伸ばして――。
ぱしり、という音と共に、伸ばした腕に軽い衝撃があった。


「あ、アキラ?」


呼びかけると、アキラは顔を上げた。
俺やめーちゃんたちの間でさ迷わせる視線は、なんだか困惑しているようで。


「……どうした?」

「なんでも、ないです」


問いかけると、すぐにそういった言葉が返ってくる。
じゃあ何なんだ、と思いかけた時、アキラが椅子から立ち上がる。


「こっちの方が作業しやすいでしょう」


ああ、そうだった。自分が何をしようとしていたか忘れていた。
短く礼を言って、譲ってもらった椅子に座った時には、もうさっきの事は頭からなくなっていた。

実は前からこっそりそういう事を考えていたんですが、なんとコラボで書ける事になってしまった。
コラボ相手の方とそのオリキャラさんが素敵すぎて、緊張しております……!



わっふー! どうも、桜宮です。
悠さん、真面目に曲作りに力を入れる、の巻。
ほかにも色々ありますけどね←

ずっと純情乙女な悠さんでしたけど、久々に素の彼を書けて楽しかったです(笑
もとはこんな人だったんですよ?w
ネタを提供して下さったつんばるさんに感謝! です!


この頃はなんだろう……結構真面目に内容の話をしていたような。
書けることあんまりない……!


アキラ編では、後輩さんが頑張ってるようなので……え、何をって、色々ですよ。
ごまかしてるわけじゃなくて、本当に今回はいろいろだと思います。
なので、そちらもどうぞです!


東雲晶さんの生みの親で、アキラ編を担当しているつんばるさんのページはこちらです。
http://piapro.jp/thmbal

投稿日時 : 2009/10/07 12:46    投稿者 :桜宮 小春

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