玩具屋カイくんの販売日誌(182) コミックフェアで、ひと騒動 > ブクマでつながった作品

玩具屋カイくんの販売日誌(182) コミックフェアで、ひと騒動

ゆくりさんのお店で、バイトのレン君が、青くなっていた、その頃。

東京・有明にある東京ビッグサイトで、人気のイベント「雑貨&コミック・フェア」が開かれていた。

企業のブースをはじめ、コミックやフィギュアを作る有志や同人の人たちが、それぞれにブースを出展している。

会場のホールの一角に、移動式自動車のカフェ「ドナドナ号」が乗り入れていた。

車内のキッチンでは、たこるかちゃんとツナちゃんが、メニューの料理を作り注文に対応して、切り盛りしている。


「きょうは、まだあまり、会場のお客の入は良くないね」
「そうね」

2人は会場を見回して、つぶやいた。


「ドナドナ号」の前には、休憩スペースがあり、机と椅子がいくつか並べられている。
さほどお客は多くはなかったが、目の前の椅子には、2人のお客さんが座っていた。

霧雨さんと、駿河ちゃんだった。


●追っかけをうまく巻いたね!

霧雨さんたちは、ドナドナ号で買ったホットドッグを食べながら、しきりと相談をしている。

たこるかちゃんは、車の中のキッチンで、聞くともなしに彼女たちの話を聞いていた。

「この間は、グッドな対応だったよ、駿河ちゃん」
霧雨さんが言う。
「サンキュー。でも、この人形も、性能がいいね。プログラムした通りにしゃべるもの。ときどき、不思議な反応をするけどね~」
駿河ちゃんは、手に持った人形を見ながら、答えた。

霧雨さんは、うなずいた。
「ライブハウスの“追っかけくん”たちを、うまく巻き込んだよね。あのあと、お巡りさんにコッテリしぼられてたっけ」

2人は、愉快そうに笑った。

たこるかちゃんは、それを見て、「オヤ?」と思った。


●どっちが操られてるの?

霧雨さんは、おもむろにスマホを取り出し、なにか画面をいじりながら、人形に向かって、何かを送信したようだ。
そして、駿河ちゃんに言う。

「じゃ、もう一度やってみよう」


駿河ちゃんは「どうだい?」と、はっちゅーねに声をかける。
「オッケー」と、はっちゅーねが答える。

霧雨さんが「ちょいとお待ち…」とはっちゅーねに言う。
「オイオイ」と、はっちゅーね。


「もちょっと、こっちの言い方を大げさにしてみようか」
「そうだね。あたしも、やさしく声をかけてみるよ」


2人はふたたび、人形に向かった。

駿河ちゃん「どう?」 はっちゅーね「オッケー」
霧雨さん「ちょいちょい、お待ちよ」 はっちゅーね「オイオイ」

2人の演技は、だんだん熱が入ってきたようだ。


「ナニやってんの、あのひとたち」
たこるかちゃんは、それを見つめて、思った。

「なんだかあの2人が、操られてるみたいね、人形に」ヽ( ´ー)ノ

不思議な人形ですが、またひと騒ぎありそうですネ。

投稿日時 : 2013/01/20 17:25    投稿者 :tamaonion

ヘルプブクマでつながった作品とは?

「VOCALOID HEARTS」~第22話・狙われた少女~

「連続暗殺事件…物騒な世の中」
 唄音ウタことデフォ子。MARTで支援を受けて社会復帰を果たしたウタは、小さな広告店でうだつの上がらない毎日を送っていた。基本的にやることといえば、街中で昼前から夕方まで延々とティッシュ配り。彼女は正直、そんな仕事に満足はしていなかった。クールで無気力、それでいて人前に晒すことのないサディエストさを持った彼女にとっては、余計に。
 しかしここまできて、ようやくまともな職を掴んだウタは、再びカイトの世話になるわけにはいかないと思い、贅沢は言えなかった。そうして今日も変わらず長く感じる昼休憩の合間に、自分のデスクに弁当を広げて新聞を読んでいた。15歳にはあまり見られない光景だが、カイトに「日頃から新聞を読め」と言われていたので、その習慣が身についているようだ。テレビ番組覧の裏には、連日この¨暗殺事件¨について大きく報道されていた。
 ¨立て続けに起こる暗殺事件。そして昨日未明、30代と見られる男性が都内のマンションで倒れているのを近隣住人が発見した。警察によると男性は腹部に銃撃を受けており、現在懸命な治療が行われている。男性の身元は現在確認中であるが、アンドロイド平和統括理事会の重役であるとみられ、理事会も独自に調査を開始している。警察は殺人未遂の容疑で、以前の事件と同一犯である可能性もあるとみて捜査を進める方針だ。¨
「…寝よ」

オレアリアさん

オレアリアさん

2015/11/06 18:09

「VOCALOID HEARTS」~第29話・電撃無双~

 もしも亞北ネルという女が、世界のモデル界を魅了するプロポーション抜群の超絶金髪美少女アンドロイドアイドル、なんて存在だったら、どれだけ良かったか…想像していたら、アホらしくなってくる。
 そんな妄想じみたことを考える私は、毎日のように街の警備や要人警護とかの仕事をしている。でも、それは普通の警察活動を行う組織とは少し違って、一都市の軍事防衛を兼ねた「軍警察」とでも言えるか。この軍警察は、通称「AMP」と呼ばれているんだけど、東京の湾内にある大きなアンドロイドの居住区っていうか、特別行政地区っていうか…ああ、も~ややこしい! とにかく、そーいうところを汗水流して守ってるワケ。
 私はAMPの第1師団長・リリィさん直属の部下になるまで、必死になりながら、のしあがっていった。訓練学校を出て下っ端から始まった負けず嫌いな性格の私は、とことん仕事に力を注ぎ、片手間に肉体を鍛え続けた。でも私はそれに物足りず、自分の体を痛めつけてでも、更に体を強化するために研究機関に依頼して自らモルモットになった。その盲目に追い求めた力の代償は、とても大きかったけどね。
 私は戦闘アンドロイドとして、諸々の武器をぶら下げ、時とあれば戦いもやる。すべては、私が愛するAMPが守る街のために。そんな信念があるから、毎日が大変でもこの仕事はイヤじゃない。けど、もっと女らしい仕事がやりたかったなって、今更だけど思ってしまう時がある。心境の変化、ってヤツかな。
「はいは~い、AMPで~す。下がって下がって」

オレアリアさん

オレアリアさん

2013/12/24 20:03

▲TOP