時給310円さん

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巡音ルカの 『めぐりすぎ注意だと言ったら次の日スタジオに来なかった件』




花火大会を見に行ったお姉ちゃんが、仕事で行けなかった私のために、花火の模様を話してくれた。

「すごかったの。バーンってなって、ぶわーってなって、キラキラがパラパラってなるのよ」

お姉ちゃんは身ぶり手ぶりをまじえて、熱心に教えてくれる。

「びゃーってなるのとか、赤とか黄色がパアッてなるのとか、長いのがザーッてなるのとかあったの。すごく綺麗だったの」


うんうん。
さっぱり分かんないけど、楽しかったみたいで何よりだよ。







どうしてそんな話になったのか忘れたけど、お姉ちゃんと告白に有効な殺し文句について話していた。

「告白って言っても……その、状況にもよるでしょうし……」
「じゃあねえ、お姉ちゃんは片想いなの。相手の男の人には、他に好きな人がいるの。そういう場合だったら?」

きのう読んだ漫画のシチュエーションでお題を出すと、お姉ちゃんはウンウン一生懸命考えて。
恥ずかしそうに顔を赤くしながら言った。

「あの……私じゃダメでしょうか……」

お、いい感じ。


「い、今ならお安くしておきますよっ!」

自分を安売りしちゃダメぇ!


「洗剤もつけますから!」

どんな告白なのっ!?







今週は特に忙しくて、洗濯物がたまってしまった。

「これはお洗濯のしがいがあるわね」
「お姉ちゃん、何だか楽しそうだね?」

見るだけでウンザリしてしまうような洗濯物の山なのに、お姉ちゃんはなぜだか楽しそうだった。

「ふふっ。これだけのお洗濯物を一気にジャブジャブ洗っちゃうのって、きっと気分爽快よ。物干し竿にお洗濯物がズラッと並んで、青い空に白いシャツが映える光景は、きっととても綺麗だわ。風が吹いたら洗剤の香りがするのよ。そして夕方になってお洗濯物を取り込んだら、お日様の匂いでいっぱいなの」

へえ……そういう考え方もあるんだ。
心の底から楽しそうなお姉ちゃん。
そのポジティブシンキングは、私も見習わなきゃと思った。





翌日。


ザアアアァァ……


「~~~~~っ……」
「あ、明日はきっと晴れるよ! 明日こそ一緒にお洗濯しようね、ねっ!?」


窓辺で涙ぐんでいるお姉ちゃんを、必死になぐさめる私がいた。







「私の目覚まし時計が変なの。2秒に1回、針が進むのよ」

お姉ちゃんは心の底から不思議そうに、首を傾げた。

「どうしてかしら?」


壊れてるからじゃないかな。






「晩ごはんのお買い物に行ってくるわ」

そう言ってスーパーへ行ったお姉ちゃんから、メールが来た。


件名:ごめんなさい、無題なの。

……フツーに無題にしとけばいいのに。


本文:本当にごめんなさい。
   急いだ方がいいと思ったから、件名を考える時間がなくて

いや、急いでるんなら余計にさ。


本文(つづき):今ちょうどタイムセールで、ネギがとっても安くなったの。
        これは買った方がいいのかしら?



ちょっ……! お姉ちゃん何グズグズしてるの!?








部屋でお姉ちゃんと話していると、不意にドアが開いた。

「ルカ。ちょっと来なさい」

メイコお姉ちゃんだった。
ルカお姉ちゃんは言われた通りに、そこまで歩いて行く。

「座りなさい」

そう言われて、その場にペタンと座る。

「ほら」
「?」

メイコお姉ちゃんが右手を出す。
ルカお姉ちゃんはワケが分からない様子だったけど、とりあえず、差し出された手に自分の左手をポンと置いた。

「よし」


メイコお姉ちゃんは満足して去って行った。







とある問題について、メイコお姉ちゃんと議論を交わしていた。

「犬じゃないかしら」
「違うよ。絶対にリスだってば」
「じゃあ実験してみましょう」
「いいよ」

メイコお姉ちゃんは、向こうでテレビを見ていたルカお姉ちゃんを呼ぶ。

「ルカ。ちょっと来なさい」
「?」

呼ばれてトテトテ歩いてきたお姉ちゃんに、私はコッペパンを差し出す。

「はい、これあげるよ」
「いいの? ありがとうミク」

お姉ちゃんは嬉しそうに受け取って、さっそく食べ始めた。

「………………」
「………………」

両手でコッペパン持って、一生懸命食べている様子を、2人でじっくり観察する。

「ほら、リスでしょ?」
「そうね。残念だけど、ここはアンタの方が正解かしら」

得意になって言う私に、メイコお姉ちゃんは苦笑しながらうなずいた。

「んむ?」


いいんだよ。ルカお姉ちゃんはそのままコッペパン食べてて。









おまけ : あの人がメジャーデビューしたので……



また新たに有名Pがメジャーデビューするという事で、CD販売促進のため、私とお姉ちゃんにCM出演の依頼が来た。

「がんばらなくっちゃ」

お姉ちゃんは張り切っている。
私は営業の人に尋ねてみた。

「それで、どなたがデビューなさるんですか?」
「デッ○ボールPです」


……すいません、CMの内容を教えてもらっていいですか? 詳しく。




さあ、詳しくっ!!!











     めぐりすぎ注意だと言ったら次の日スタジオに来なかった件


                      おしまい



誰もが忘れた頃に、さも当然のように何食わぬ顔で現れる。それがめぐりすぎクォリティー。
メイン小説の方が一段落ついたので、4つめUPします。
ニコニコして頂けたら重畳でゴザルよ。



追記:
だいぶ遅くなったけど、デP、メジャーデビューおめでとうッス。
CD買ったッス、ホントに無修正だったッスねっ!w 

投稿日時 : 2009/06/18 21:36    投稿者 :時給310円

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あなたと私だけの歌【終末ボカロ企画・pixvより】

 目を覚ましたとき、真っ先に目に入ったのは真っ赤な空だった。
 まるで世界が終わってしまうような不安を与える赤く染まった色に目を覚ましたばかりの私は手を伸ばし、そして手を伸ばしきる前、透明樹脂の冷たい感触が指に触れた。意識がはっきりと覚醒していく。自分を囲むのは狭い空間。まるで棺桶のような冷凍睡眠装置。ああ。とまだほんのすこし現在と過去とが入り混じった意識のまま、私は手元にあるスイッチをいくつか押した。ロック解除。かちかち、と自分を収納していた棺桶のようなこの装置のロックが外れる音を耳に届く。本来ならば自動で蓋も開くはずなのだが、長い年月を経たせいで蝶番が壊れてしまったのかもしれない、蓋はほんの少しだけ開いただけで止まった。
 ほんの少しの隙間から入り込んできた、記憶していた空気よりも酸素濃度の濃い、大気。
 重い蓋をゆっくりと持ち上げて外す。湿度も高いのだろう、ねっとりとした質量を有する空気が肌にまとわりつく。私は蓋を無理やりこじ開けて棺桶のような冷凍睡眠装置から起き上がり、外へと出た。
 風が、私の二つに結い上げた長い緑の髪を揺らして、通り抜けた。

sunny_mさん

sunny_mさん

2013/07/08 14:40

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