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「VOCALOID HEARTS」~第17話・真紅に染まる記憶~ オレアリアさん
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2014/05/27
23:22(…今しかない!)
そう考えた私は、廊下の角で身を潜めている。呼吸を殺し、腰の拳銃に手をあてる。暗がりに包まれた廊下の奥から徐々に近づいてくるのは、健音テイ。こうして敵どうしとして再会するなんて、想像もしなった。私の数少ない友達と…
テイとの出会いは、いつだったか。そうだ、私がいつものように、まったく売れないボーカロイドとして、活動していた時だった。テイもまた、トリプルエーの一員になる、ずっと前の話。今となっては恥ずかしい話だけど、私は昔、役者をやっていた時があった。気まぐれだったドラマの監督は、何を間違えたか名無しの私を主役に抜擢した。
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小説【とある化学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その2 瓶底眼鏡さん
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2011/07/31
20:10「……」
「……」
始まってしまった三人デート。
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小説【とある科学者の陰謀】第八話~悪の組織、始動~その2 瓶底眼鏡さん
閲覧数:306
2011/06/10
23:42草木も眠る丑三つ時、ピアプロセントラルビル内部。非常灯の頼りない緑の光に照らされた廊下の上に、怪しげな三つの影が浮かび上がる。
「こちら実行A班。現在地七階、3-Fです。指示を」
『こちら指令班。周囲に生体反応なし、そのまま予定通りのルートで3-Dまで向かって。その後、連絡があるまで待機』
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小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その一 瓶底眼鏡さん
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2011/07/17
22:49はちゅね像とは、ピアプロで一番大きな広場の真ん中に鎮座する、巨大なはちゅねミクの銅像のことだ。
何かの記念に配置されたらしいのだが、とにかく目立つのでピアプロで生活する人々やボカロ達からは渋谷のハチ公みたいにわかりやすい待ち合わせ場所という認識で定着している。
その例に漏れず、俺もまたここでハクさんを待ち続けていた。
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小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その二 瓶底眼鏡さん
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2011/07/03
21:37量産化祭中には、様々なイベントや出し物がそこら中で行われている。
その大多数は、初音ミク人気に惹かれやってきた客に自分たちを知って貰おうと考えた亜種達が開いたものだ。そしてそういった中に混じり、また、《男の娘☆ボカロ同盟》も
活動をしていた。
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小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その3 瓶底眼鏡さん
閲覧数:286
2011/09/12
12:52「え?な、何?」
「ハクさん、後ろに」
俺はすぐさま、オドオドしているハクさんを庇うように前に出た。とりあえず、なにがどうあれハクさんにだけは指一本触れさせないようにせねば。
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小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その4 瓶底眼鏡さん
閲覧数:282
2011/09/12
12:56「本当に……ありがとうございました!!」
チンピラ達が連れて行かれ、色々と混乱が収まった路地裏には
、今、ペコペコと頭を下げるハクさんと、照れる鈴音コンビの姿があった。
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小説【とある科学者の陰謀】第八話~悪の組織、始動~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:258
2011/06/06
23:35近未来的な装飾の成された薄暗い部屋の中に、円卓を囲む十数人の人影があった。
ケータイをいじったり、隣と話し込んだりと、皆一見思い思いに過ごしているように見えるが、その中には確かに緊張した空気が漂っていた。
「……さて」
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小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その三 瓶底眼鏡さん
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2011/07/09
10:06「……」
街のざわめきが遠い。
パフォーマンスを行っていた商店街を離れ、住宅街まで戻った俺が第一に思ったのは何故かそんな事だった。
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小説【とある科学者の陰謀】第四話~天国と地獄~その二 瓶底眼鏡さん
閲覧数:250
2011/05/20
20:35「……」
(……どうする……)
俺に許された選択は2つ。
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小説【とある科学者の陰謀】第八話~悪の組織、始動~その3 瓶底眼鏡さん
閲覧数:248
2011/06/11
17:45「いやーみんな、おーつかれさまー!!」
数時間後、セントラルビルを脱出、散開したのち、俺たちは我らがアジト(因みにアジトは宿舎の地下にある。本当にいつ作ったんだ)に再集結していた。
「最後の方でハプニングもあったけど、なんとか無事に目的は果たせた……よって今回の作戦は大・成・功ー!!やったぞ野郎ども!!これで明日の朝刊の一面は貰いだああああああ!!!!」
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小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:208
2011/06/24
16:133、2、1、ポーン。
『たった今、初音ミク量産化祭が開催されました!今日はまだ一日目ですが、既にピアプロの中は人でいっぱいです!!この日の為に全国、いや世界中からボカロファンが集まったということで……』
ピッ。
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小説【とある科学者の陰謀】第二話~潜入~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:182
2011/05/17
12:04目の前の光が晴れると、目の前には見慣れた日本の街並みが広がっていた。
「……うおっと」
若干バランスを崩し、踏みとどまる。アスファルトの地面が酷く懐かしく感じられた。
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小説【とある科学者の陰謀】第四話~天国と地獄~そのー 瓶底眼鏡さん
閲覧数:179
2011/05/19
19:56こうして、俺の歓迎会が始まった訳だが……
「なんつう規模だよ……」
数にして200は下らない亜種ボカロ達が、順番に舞台に上がって歌や踊りを披露してゆく。今は初音ミクを男にしたみたいな奴(おそらくは初音ミクオ)と、KAITOを女性化したみたいな奴(おそらくはKAIKO)がカンタレラなる楽曲に合わせ踊っている。
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小説【とある科学者の陰謀】第六話~電子の歌姫~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:158
2011/05/26
15:12「ここが、鏡音の家か……」
ピアプロの敷地内の中でも「住宅街」と揶揄される、ボカロや一部のピアプロ会員たちが住むマンション群が建ち並ぶ一角に、どこか場違いの感すらある一軒家が幾つか建っている場所がある。初音ミクを始めとする、俗に言う公式ボカロ達が暮らしている家々だ。
その一つ、表札に「クリプトン公式」と刻まれた、一般的にもかなり大きな家の前で、俺は何気なく呟いた。
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小説【とある科学者の陰謀】第三話~黄色の二人、現る~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:151
2011/05/18
21:25「さて、と。どこから回る?」
「お前の好きに案内してくれよ。ところで……」
俺は宿舎の隣にあった建物を指差した。
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小説【とある科学者の陰謀】第七話~最悪の一日~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:146
2011/06/01
00:03ピアプロの商店街の中でも目立たない一角にある、ボーカロイドの経営するメイド喫茶、通称ボーカメイド喫茶「あーくのーれっじ」。
開店前のこの店の更衣室から、けたたましい笑い声が響いていた。
「サイッコー!シグもうあんたサイッコー!!ぷくっ、ぷくくく……アハハハハ!だめ、もう耐えらんないアッハッハッハッハ!!」
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小説【とある科学者の陰謀】第五話~青いマフラーなびかせて~その一 瓶底眼鏡さん
閲覧数:146
2011/05/22
23:34「きゃああああ!!助けて、誰か!!」
薄暗い路地裏に、絹を裂くような悲鳴が響き渡る。
「クックック……無駄さ、ここには誰も来れない、そう、だぁれも、ね……さて、そろそろ眠らせてあげるよ!!」
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小説【とある科学者の陰謀】第二話~潜入~その二 瓶底眼鏡さん
閲覧数:145
2011/05/17
23:28(汚い部屋だな……)
部屋の中は酷い惨状を呈していた。
床には雑誌やお菓子の空き袋などが散乱している。流し台は洗っていない食器が乱雑に積まれ、タンスからは強引に押し込められた衣類が飛び出している。何故かベッドの上はきれいだったが。
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小説【とある科学者の陰謀】第五話~青いマフラーなびかせて~その二 瓶底眼鏡さん
閲覧数:140
2011/05/23
16:43「で、したい話ってのはなんなんだよ」
商店街の一角のベンチに腰掛け、俺は切り出した。
1ヶ月後に初音ミクが量産化される事を記念した祭りが開かれるという事で、街の中は既に様々な装飾が施され、華やかな雰囲気を醸し出している。どうでもいいがあちこちに貼られた初音ミクのポスターを見る度に雑音の機嫌が悪くなるんだよな。
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小説【とある科学者の陰謀】第六話~電子の歌姫~その二 瓶底眼鏡さん
閲覧数:139
2011/05/28
00:41(なんなんだ、こいつら……!)
ゲームのコントローラーを握ったまま、俺は戦慄にうち震えていた。
「つ、強すぎるだろ……」
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小説【とある科学者の陰謀】第三話~黄色の二人、現る~その二 瓶底眼鏡さん
閲覧数:129
2011/05/19
12:21「ここは、確か商店街だっけか……」
俺の視界には、様々な店が建ち並び、人やボーカロイドが騒々しく行き交う光景が映っていた。
なんでピアプロの敷地内にこんなものがあるかといえば、ピアプロの敷地が広がるにつれて仕事が忙しくて外までろくに出かけられない人やボカロ達が増え、ならいっそ中に店を作らせてしまおうという話になったのがきっかけだったらしい。
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小説【とある科学者の陰謀】第七話~最悪の一日~その二 瓶底眼鏡さん
閲覧数:115
2011/06/02
16:16「おお、もうこんな時間でゴザルか……」
「これでお別れなのは名残惜しいスねー……でも仕方ないス、じゃあね、シグナちゃん!」
「はい、行ってらっしゃいませー……はぁ」