A
駆けてく 子どもの声
無邪気に 笑えた頃

A
僕の横で 欠伸している
君が嬉しくて 幸せでさ

A
窓を叩く雨の音は
誰かの叫び声みたいだ

A
零れてく幸せは 悲しいほど鮮やかに咲いて
薄れてく心の音を 確かめるように強く

A
祈りの数 注ぐ星の歌が
過去の痛みを 僕に知らせる

貴方の心は 潤ってますか
その瞳から 溢れる涙
その涙の訳が 悲しみの涙なら

A
最後に願うことは
弱くて儚い君でさえ

A
悴む指には 息を吹きかけて
光る雪の 優しい熱

A
誰も惨めさ
惨めに生きている

A
空が落ちてくる
頬に触れた青

A
麦わら帽子の下で 空を見上げると
小さな雨がひとつ 僕の肩に落ちてきた

A
そっと肩を寄せ合う 微睡み
「ずっと君を見ていた」 笑うあなたが消える

A
ふっと切なくなった
真っ直ぐに歩く君の背

A
微睡みながら 漂いながら
揺蕩いながら 過ぎていく

A
始まりの音 合図みたいに
高鳴る鼓動のわけはきっと

A
涼風 シャボン玉と 君の横顔
滲んだ 優しい微笑みに

A
今すぐに ねえ今すぐに
嘘をつく僕の口をそっと塞いでよ

S
白く光る雪の花びら
君の頬に触れて消えた

A
途切れた言葉 言えずにいたんだ
あなたの吐いた 息が真っ白で

A
曖昧なんだ 境界線とか
溶けてしまえばいい 躊躇いも

A
ひとひらの花びらさえ 運命を待っている
愛しいあなたは 私を置いていく

A
いつまで 笑えばいい？
何も吐き出せないまま

A
渇いた空気が喉を焼く
拭えない涙が胸を満たして

A
繰り返している 後悔はとうに
数えきれないよ もう、眠ってしまいたい

A
すれ違うふたりの
交わらない視線を重ねて

A
真っ白な部屋で 夢を探してる
咲くことのない花を胸に

A
心の奥にずっとある景色
ふっと 小さな溜め息

A
ねえ つらいかい
そこは 暗いかい

A
許して 許さないで
本当の心は 静かで

A
揺れる君の眼差し 痛いほど願った軌道
誰よりひとりだった 僕らが空に描いた軌跡

A
何でもないみたいに 突き離してさ
狡いよね、あなた

A
寂しくてたまらないのに
誰にも触れられたくない

A
強い想いが胸を焼く
なのにどうして 空っぽになるんだろう

S
「好きだった」 声なき声と
黄昏に似た 恋が滲んでいく

S
沈みゆく花を掬い上げて
そしてまた水面に浮かべるような

A
優しささえ 捨てきれずに
何を壊して 何を救うの

A
消えゆく鼓動 止まぬ雨音
流れゆく赤 最後の言葉

A
遠く離れていた 君との距離
心の足跡が

C
零れて消える 涙のような
優しい雨が降る

A
壊れない 宝物を
探し 探し続けていた