＊？＊
なぜ――。
私の妻が、なぜ私の妻が殺されなければいけないのだ...。

此処は、とある東の国。特徴といえば和の文化がとても栄えている事だろうか。
その東の国に円尾坂と呼ばれる有名な坂がある。緩やかな斜面でお年寄りや子供なども軽々と登れるような坂だ。
円尾坂の片隅にあるのは、小さな仕立屋。仕立屋を営業するのは桃色の髪が清楚な顔に似合う女主人――カヨ。彼女はあまり有名ではないが、近所の人々によると『気立ての良さと確かな腕が大評判！』らしい。

　円尾坂の片隅の仕立屋で、一人の客が言った。
　「じゃあ、よろしくね。」
　それに応えるように女主人は「はい。」と言って店の奥へ駆けて行った。

むかしむかし『えんびざか』というさかのかたすみに、ちいさなしたてやがありました。
そこには、まちでいちばんにんきなおんなしゅじんがいました。
おんなしゅじんは、おかあさんのかたみのはさみでまいにちぬのやいとをきっていました。

円尾坂の仕立て屋についての、解釈
円尾は、「Envy(妬み)」と掛けているらしい。
歌詞

　あぁ、いらっしゃい。
　何にしますかね、お客さん。最近の流行りはそちらのかんざしと向こうの櫛、それから……。
　えっ、買い物に来たんじゃない？　そりゃあ参ったね。こちとらこれでも商売だからね、客でも何でもない人の相手をしてるほど暇じゃあないんだけどねえ。で、何の用だい？

『私の名前はカヨ・スドウ
　
　今は,円尾坂の片隅にある仕立屋の女主人をしております

私は,円尾坂の上に住む,仕立屋の女主人
そんなに,儲ってるお店じゃないから毎日,一所懸命,一生懸命頑張らないといけないの
周りからは『シザーさん』とか呼ばれたりしてるわ

『さぁさ皆様御立ち合い！
世知辛い世の中、日々辛い事ばかりでございやしょう…
しかぁし世の救済人！私めが現れたからにゃあご安心を！

店に戻ったるかは裁縫箱を取り出しました。
「それにしても貴方も酷い人ね
私を見た途端『初めまして。こんにちは』だなんて

るかに肩を叩かれた男は振り向きました。
そして――――
『　　　　　　　　　　　　』

「…さぁ、ようやく仕事も一段落したわ……
私が忙しくてあの人が会いに来てくれないのなら
私の方から会いに行きましょう…」

その次の日、るかは新しい反物を買いに行きました。
町は昨日よりも俄かに騒ぎ立てています。
「またなにか事件ですか？」

その日の昼過ぎ、るかは仕立てに使う縫い糸がなくなったので隣町に買いに出かけました。
町はいたって普段と変わらない穏やかで平和な日常です。
「いらっしゃいるかちゃん」

次の日、るかは頼まれていた仕立物を届けに町へ出掛けました。
町はいつもと違い何やら不穏な空気に包まれています。
「こんにちは。何かあったんですか？」

「………はぁ」
お店に入ったるかは小さな溜め息をつきました。
そして壁に貼ってある暦表の日付の一つを墨で消しました

昔々、町外れに『円尾坂』というさほど急ではない
大きな坂がございました。
その坂の入り口の片隅に小さな仕立て屋がありました――

さぁ～お立会いお立会い！！
古今東西この世で女ほど恐ろしいものはないと
言われております。

「貴方、何ぼーっとしているのよ」
こつんと頭を小突かれて我に帰る。
「え、いいや。何でも無いよ」

円尾坂の仕立屋
詞/曲　mothy
円尾坂の片隅にある　仕立屋の若き女主人