～グミ視点～　50年後の世界
「私も、君が元の世界に帰れる方法を探すのを手伝おう。」
「(未来の)神威さん、ありがとうございます。」

------無機質な空の色------
私の視界に広がるのは、テレビでも見たことのない場所。これは…未来都市？
クワガタはのんきに肩を這う。

「君！そ、そのクワガタは…10年前に滅びたクワガタだ！」
変な…現代生け花みたいな髪型の、余計な一言とかががくぽさんに似ている警官は、驚愕を顔に浮かべる。
「はあ？10年前に滅びた？そんなことよりここはどこだよ現代生ｋ…警官」

～グミ視点～50年後の世界
私は神威さんといっしょに歩いていた。
「緑川さん、ちょっといいかな？」

～グミ視点～　キオクと回想
神威さんから逃げるように家に帰ってきた私は、泣き崩れた。
「あ、グミ。おかえｒ…ど、どうしたの？」

～グミ視点～　50年後の世界
私は、未来の緑川家(自分の家)にお邪魔していた。
ちょっとふざけて言うのならば、「自分の家にお邪魔しています☆」であろう。

私は、静かに903号室の病室のドアノブに手を掛け、ドアをノックした。
三回叩いた後、向こうから静かな声が「どうぞ」と答えた。
ドアは、驚くほど軽く開いた。

私は病室を出た。
そこには、心配そうな顔をした神威さんの姿があった。
「未来の君は…死んだ、のか」

――そうだ…。あれは、この世界に来る前の、あの出来事は…。
　　嫌、思い出したくない!でも思い出してしまった。
　　あの…出来事と…そして、この‘セカイ’に来てしまったことと、

～グミ視点～　50年後の世界
「改めて見てみると…凄い街中ですね…」
なんか、きのこみたいな形した家あるし…

――「がくぽさん…巡音さんに、告白されてたよね」
気がつけば、口からそんな言葉が出ていた。
「お前…見てたのか」

色のない無機質な空の下の見たこともない町の高台の上で学校の制服のセーラー服に身を包んだ私は大声で叫んでいた。
「ここ、どこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ！！」
ペットして可愛がっているクワガタがそんな私の肩をのん気に這っていた。