A
目覚めた週末(いつも)の朝
1人きりのベッドで

A
鐘の音(ね)に耳澄ませ
瞳をそっと閉ざすの

微睡みの中で甘い果実に
接吻(くちづけ)を堕とす無邪気な天使
緋(あか)く染まる糧 何故(なにゆえ)の色と

A
どうしてだろう？
手紙を書くだけなのに

瞳閉じれば
甦る世界
映りこんだ色は？

S
「好き」という言葉 言わせたくて
駆け引きする２人

A
今生(こんじょう)にてただ一度
袖を通す白無垢

【解説もどき】彩愛―ayame―
Erz-鉱石コンピ-
No.６ 彩愛―ayame―　作曲:nijill_chan

A
踏み入れる前から
気づいてはいたの

誘(いざな)う瞳に灯る
清(さや)けしサファイア(蒼(あお))
囚(と)らうはヒト揺れの燈火(ともしび)と

A
千切れぬ鎖 雁字搦めね
重みに瞳(め)を向けた手首(うでさき)

A
貴女を誰よりも…
結びの名と並べて

巡る言の葉の間(あわい)を
瞬きの刹那に風と変わる
まだ見ぬ世界(こたえ)に惹かれ

暮れる宵の彩(いろ)に
染まる雲霞(くもかすみ)
揺らぐ空の端に

A
無数に舞う コトノハ
心の隙 埋め切れずに

A
彩(いろ)失す廃郷 錆びれた悲鳴
崩れ落ちていく 街の残骸

A
笑みに歪んだ醜い顔
欲望の渦巻く世界で

Sh
君の呼ぶ声が聞こえる
待って行かないで

A
迷い込んだ先の夢で見つけた
僕の格好の玩具(おもちゃ)

A
さよなら
今日の私

A
流れていく時間
流されるのは僕

A
あれは誰の声？
目の前の唇が綴る

A
あれは誰の声？
その弾んだ声に

夕月(ゆうづき) 浮かび上がる
人影 波に揺れる
水鏡(すいきょう) 闇がとけて

A
トントントンってノックの音がして
ドアを開けたらドラキュラさんと

A
あれは誰の声？
玩具(おもちゃ)を見つけたように

A
誰にも言えないsecret
貴方の左手に光る

A
迷い込んだのは
閉ざされた楽園

A
茜に染まる黄昏時
１人歩く帰り道

A
羊が１匹　羊が２匹
今夜は何匹数えるかしら？

A
蠢く人の波に飲まれ歩く
僕の目に映るのは花

A
２人で並んで歩く見慣れた景色
みんなにはいつもと何も変わらず映る

　机の上に置きっぱなしにされた携帯電話が派手な爆発音を鳴らした。
もちろん爆発したわけではないが当然驚きはする。例えその音を設定したのが自分で、かつ設定してからもう五年は経とうとしていてもだ。
『たすけて』

　最優秀作品《その青は魅せる》
彼が描いた最後の作品だった。暗い森、見守るような月、吸い込むような湖、そして幾重にも重なった蝶からなる一輪の青いバラ。明るい色調の絵画が多く出展された中、その絵は際立って人を惹きつけていたらしい。
　あの絵を書き上げて以来、彼は今まで一度も筆を手にすることはなかった…

A
ため息をついた放課後
押しつけられたプリント丸めて