君が2時間前におとした消ごむとみかん

裏紙に書いたよ君の名前
でも個人情報あったから
シュレッダーに捨てちゃったよ
消ごむに書いたよ君の名前
レンチンして匂いを嗅いで

食卓Heart

三日前のカレーのようね私たち
中火で温めればいいだけなのに　それすらも億劫で
冷めきったジャガイモ　鳴らないケータイ
廃棄寸前……
どうして　あなたの嫌いなもの

スィーツ・スマイル・スペシャル・パーティ♪

【掛け合い】
「はっぴー？」「はっぴー！」「はっぴー……」
「「はろうぃーん！！」
【サビ】
さぁさぁパーティの始まりだ

【歌詞】ラムネの中に入ってるビー玉みたいなお前

ビー玉っぽいよねお前
駄菓子屋で買えるラムネのあれ
っぽいよね
私飲んだことないど
たぶんそう

昼下がりとナントヤラ【メトカコ】

　めーくん。
　名前を呼ばれた気がして視線を向けると、彼女が安らかな寝息を立てていた。ソファの手すりに頭を預けて寝息を立てる姿はとても可愛らしい。そっと髪を梳いてみると、彼女の頬がへにゃりと緩んだ、気がした。
　二人しかいないリビングは随分と静かだ。弟達が騒ぐ声がなんとなく耳に残ってて、余計そんな風に感じる。まあそれはそれとして。
　……無防備、だ。
　最近仕事が忙しかったのは理解してる。久しぶりの休みでゆっくり休みたいのも分かる。

はじめまして【メイカコ？】

「よ、よろしくお願いしますっ」
　澄んだ青のショートカットを揺らして、彼女はにこにこと笑った。
　穏やかで綺麗なその顔を見ると何となく安心する。あとは雰囲気だとか細かい表情だとか、彼との共通点はいくつか。
　で、一番違うところは。
「……よろしくね、カイコ」

デート前日？【性転換色姉弟】

「ね、大丈夫？　変じゃない？」
「あーはいはい大丈夫、似合ってるよー」
　今日何回目になるかも分からない問答を繰り返して、僕はテレビのチャンネルを変えた。そろそろいつものドラマが始まる時間だ。
　ちらり、と視線だけで横にいる姉を見る。どうやらこの僕の言葉だけじゃ不安らしく、いまだにくるくると自分の服装を確認していた。かれこれ一時間くらいはアレやってるんじゃないか？
「普通に綺麗だと思うけどね、僕的には」

あなたのとなり【カイメイ】

「カイト」
　声がした。
　閉じていた瞼を開いて、被っていた布団を退ける。体を軽く起こして視線を向ければ、やっぱり彼女がドアの隙間からこちらを覗いていた。
　妹達が寝静まってから来る生真面目さに苦笑しつつ、隣の空いたスペースを軽く叩く。一人用のベッドに二人はちょっときついけど、まあいつものことだ。
「誕生日おめでと」