最近の投稿作品 (97)
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ジェシカ
手に持っている缶珈琲がいつの間にか空になっていた。
そんなに勢い良く飲んだつもりなかったのに。
首を傾げながら点滴を連れて棟を徘徊していると、子供達と目があった。
目があった子供は手をたたき、僕を指差して笑った。
「あのひとジュースこぼしてる!」
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再教育
国道沿いに対峙する僕達の閉じた未来。
息を弾ませながら、屋上階まで駆け上がる。
扉を開き、真っ直ぐフェンスまで歩く。
その途中で缶コーラが目に映った。
ポイ捨てする奴なんて、この世界にはたくさんいるんだ。
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334人の敵
あれ、おかしいな。
何で僕のことを無視してるんだろう。
何かしたっけ。
いつも君のことを考えてあげていたじゃないか。
瞳からポロポロと涙が溢れる。
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キミナシビジョン
月光が純白のカーテンを通して輝いている。
カッターを置いて立ち上がり、部屋の電気をつけた。
純白のカーテンが照明を反して月光は私の目には映らなくなった。
リストバンドを付け、ベッドの端に座り、膝をかかえる。
…何でこうなったんだっけ?
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君が悲しい時には
バイトが終わって外に出ると、日が暮れていた。
風が吹いていて、昼間とは比べ物にならないくらい寒くなっていた。
手に息を吹き掛け、暖めようとしたが、全然暖かくならない。
…酸欠になりそうだ…
息を吹き掛けて手を暖めるのは諦め、コートのポケットに手を入れた。
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ペアリング
カーテンを勢いよく開ける。
天気は曇り空。
今日は洗濯する予定だったんだけど…
仕方無いと思いながら、洗濯物を袋に詰める。
コインランドリーは家から少し遠い。
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Happy Halloween
「ねぇ、ルキ。」
「んー?」
「今日何の日か知ってる?」
ソファーでゆっくりとくつろいでいるルキに声をかけた。
「えーっと……10月31日?」
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なまえのないうた
「ただいま…」
誰もいない部屋に、帰宅を告げる。
特に意味はない。
習慣化している行動。
ただ、それだけ。
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キミなんて、
日曜日の朝、俺はミクの家で本を読んでいた。
「…ねぇ、クオ。」
「ん、何だよ。」
半分程読んだところで、ミクに声をかけられた。
「これ、何?説明して。」
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距離を縮める方法
「ふぁ~…眠……。」
閉じそうになる瞼を手でこする。
髪の毛がグチャグチャだ。
手で整えようとするが、なかなか直らない。
……いつもより、寝癖がひどいかもしれない。
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真っ赤なキャンディ†13†
†過去編†
「姉さん、いる?」
ドアをノックして、返事を待つ。
「入っていいわよ。」
ドアを開けて中に入る。
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仕事②
「さっすがレンきゅん!!似合ってる~☆」
「………………。」
「もう可愛い!!頬擦りしていい?」
「…………死ね。」
「ツンデレだな!レンきゅんのツンデレhshs…!」
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ミク誕生祭
「もう!何なのよ!」
今日は私の誕生日。
みんな覚えてくれていて、プレゼントももらった。
スゴく嬉しかった。
だけど、アイツだけ………。
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海 ver.檸檬飴
「ねぇ、クオ。」
「ん、何?」
「明日海行くから。」
「ふーん…いってらっしゃい。」
「クオも行くの。」
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Specification
さぁ自問自答の始まりです
「ミク、次はこの曲歌って。」
「……はい。」
私はVOCALOID。
歌うことが此所に在る意味。
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真っ赤なキャンディ†12†
「……疲れたな…。」
誰もいない部屋で呟いた。
今日の朝、あんなことがあったからか、ルカは帰りはずっと無言だった。
静かになったのは良かったが、チラチラと見てくるのは止めてほしかった。
「…今日はもう寝るか。」